Report8

Report
里山ちーびず女子養成講座 Vol.8
2014年2月21日(土)

2015-02-26

さて、里山ちーびず女子養成講座、ラストから2番目も、炭を「使う」ことがテーマです。しかしそれはサブテーマ。メインテーマは、美山里山舍では恒例の「鹿さばき」。鹿は冬の里山のタンパク質。暖冬の影響で頭数が増え、山の植生や集落の田畑を食い荒らすため、「害獣駆除」の名のもと地元の猟師さんが毎日鹿を捕獲している。この鹿肉、近くの山に生えている草木ばかりを食べているから、化学飼料を餌にする牛や豚よりもずっと健康で栄養に溢れている。そしてさばきたての鹿肉は何より美味しい。地元の人々にとって鹿を捕獲し、屠殺し、さばいて食すことは日常的なことだけど、都会に暮らしていると「食肉」との出会いは綺麗に解体されてパックづめされた小分けのものだけで、その肉がひとつの命を行きていたものだとはなかなか想像をめぐらすことができません。鹿さばきワークショップは、そんな「食べること」を通じて改めて命のつながりを見つめ直す、そんな機会として行っています。

と、長い前置き、失礼しました。当日朝、美山の山奥で穫れた鹿がやってきました。ちょっと小振りな牡鹿です。

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講師となってくれた地元の猟師さん(普段は旅館業をされている)の指導のもと、鹿さばきが始まりました。まずは後ろ足をぐるりと切り、そこから皮を徐々に剥いでいき、すこしずつ解体しながら、内蔵や血の固まりなどを取り除いていきます。

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本日も活躍、伝統建築を応用した木造移動式台所「モバイルキッチン」で細かい肉の処理をしていきます。キッチンのコンロではBBQ用の炭を熾しています。

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熾した炭でBBQです!さばきたての鹿肉は臭みが全くなくて、まさに「美味しい」の一言。美山の野菜をふんだんに使ったスープや漬け物などのサイドメニューと一緒に頂きました。

お腹いっぱいになった後は、建築中の木造小屋をみながら伝統建築について学んだり、ロケットストーブを囲んで話し合いをしたりと、参加者皆めいめいにゆっくりとした時間をすごしました。

最後の交流・意見交換の際には、幅広い意見が出てきました。
「屠殺ワークショップによくある、“命をいただく”や”いただきますの意味がわかった”という言葉は綺麗すぎてギャップを感じる」という意見に対し、
「言葉は発する人それぞれに意味を持っていて、一律的にはとらえられない」という意見、
「命は循環するものという考えが、強くなった」という意見。

参加者それぞれが抱いた考えを思い思いに話してもらったら、とても深く、大切なテーマがたくさん見えてきました。時間内に収まり切らなかった言葉は、それぞれが持ち帰って、また一緒に話をする機会をつくりたいなと思います。

炭からはちょっと離れてしまった今回ですが、有意義な時間となりました!
ご参加いただいた方、ありがとうございました。