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里山ちーびず女子養成講座 Vol.4
2014年9月21日(日)

2015-02-26

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今回より1日プログラムでの開催でお送りすることになった本講座、秋晴れのこの日は、ぽかぽか陽気の中、カフェ里山舍のおいしいランチタイムを頂いてほっこりした後から開始です!まずは案内人で講師の小関から挨拶…これからは、ひとりひとりが生活に必要なものをつくり、手に「職」を持ち、生きて行く時代だ。天然資源と伝統的な知恵と技術が揃い、ものづくりで生きて行くことができる里山は、そんな時代の舞台になると。そんなお話で幕開けです。

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まずは、窯作り。今回が初参加の方々ばかりだったので、作った過程をはじめから説明させていただき、その後、壁をかけやでドンドン叩いてもらいました。大きなかけやを女子が持ち、身体をねじりながら側面をちから一杯叩く動作は非常に難しい!もと野球部員の若手M君が数日間休まずしていた作業ですが、ここは、少し作業を体験することで、かつての炭焼きさんたちの苦労を知ってもらうまでにとどめました。後の窯たたきは、M君、がんばれ!
そして一行は、のんびり田んぼの風景を抜けながら、次の現場へ向います。(作業風景の写真を撮っていませんでした。。。すみません-_-;;

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今回のハイライトは、木組みの構造が全て出来上がり、土壁の最初の段階「荒壁」を塗った後の、伝統軸組の新築の公民館の見学。案内人自ら設計し、指揮を取って建てたこの公民館を見ながら、伝統軸組建築の要点、高温多湿で冬は寒い日本の気候に伝統的な木と土の家が何故良いのかなどについて話をしました。

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前回、参加した女子たちに踏んで混ぜてもらった土の練り場も見学。荒壁つけが終った後で土はだいぶ減っていましたが、よく練られて熟成していました。どこにでもある土と稲藁で土壁が出来るという事実に、参加者みんなで感心!

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さて、里山舍に帰ってきた一行、次は実際に大工の手仕事の体験です!手仕事といっても数多あるなかで今回は「かんながけ」の体験をしてみることにしました。伝統的な風習で、墨付け(木材に加工をするための印をつける)した大工さんが新築の家の大黒柱のかんながけをするというものがあります。見学した公民館では案内人の小関がかんながけをしました。技量の差がすぐにわかってしまうからこそ、集中力と経験が必要なかんながけです。そして、かんながけで何より大事なのは道具の仕込み。刃を綺麗に研ぎ、台に据え、絶妙な長さで刃を出すことによって、ストッキングのように薄く綺麗に表面を削れるかんなが出来る訳です。

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参加者の皆さんには、まずお手本を見て頂き、その後に自分でかんなを仕込み、小さなヒノキの板の表面をかんながけし、まな板を作ってもらう…という一連の流れをしてもらうことに。かんなの台の仕込み方を見せてもらうも、なかなか繊細な仕事…勘の良い人は綺麗なかんなくずを引き切り、そうでない人はぜんぜん引けない!とっても個人差が出たけれど…最後には全てのまな板を綺麗に鉋がけし、無事まな板が出来ました!

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さて、まな板づくりをした後は、今日のしめくくり…参加者みんなで、意見交換会です。いつも里山舍の活動を支えてくださり、今回は特別に参加して下さった京都市立伏見工業工高の足立善彦先生からまず一言…「スマートグリッドやスーパーグリッドなどが生まれ、今後、電気はいかに上手に配給するかという、使う側ではなく作る側から管理をしていく時代になっていきます。そんな中で、そんな仕組みに縛られず、資源のあるところで、如何に自分自身の力で生きて行くかという力を養うことは、非常に大切な事だと思うし、今やらねばならないことだと思います。」と、力強いコメントを頂き、続いてほかの参加者の皆さんからも、「良いものを良いと感じられることが大切」といった言葉や、今回見学した公民館が地域の人々の力によって伝統軸組で建てられたことを受けて、「建築が出来る過程や、地域づくり、ものづくり、それぞれに”コミュニケーション”の大切さがあると実感している」という意見…私たちの考えを広げてくれる、とても良い交流会になりました。
終了後も、参加された方みなさんでゆっくりとお話を続けられておりましたよ^^

ご参加された皆様、どうもありがとうございました!!